4WD・AWD車は普通のレッカー方法で運べる?駆動方式に合わせて搬送方法を選ぶ必要がある理由を解説します
4WD・AWD車のレッカー搬送は、原則として4輪を地面から離して運べる積載車が安全です。2輪だけを持ち上げて残りを接地させる方法は、駆動系に負担をかけるおそれがあります。故障内容・車種・取扱説明書を確認し、適切なロードサービスを手配してください。
この記事のポイント
4WD・AWDは前後輪が駆動装置でつながるため、一般的な2輪吊り上げレッカーではトランスミッション、トランスファー、差動装置などを傷める可能性があります。弊社では、車種・故障箇所・停車場所を確認し、積載車やドーリーを含めた適切な搬送方法をご案内します。
今日のおさらい:要点3つ
- 4WD・AWD車は、基本的に4輪を接地させない積載車で搬送する方法が安心です
- 「Nに入るから大丈夫」とは限らず、車種ごとの取扱説明書の指定が最優先です
- 依頼時は「4WDまたはAWD」「故障内容」「車輪が回るか」を必ず伝えることが重要です
この記事の結論
- 4WD・AWD車のレッカーは、4輪を載せる積載車を第一候補にしてください
- 前輪または後輪だけを持ち上げる搬送は、残った車輪の回転で駆動系が作動するおそれがあります
- 4輪接地でのけん引可否、速度、距離、シフト位置は車種によって異なります
- 事故、タイヤロック、駆動系故障、EV・ハイブリッド車では、より慎重な搬送判断が必要です
- ロードサービスへの連絡時に車種・駆動方式・現場状況を正確に共有すると、二次事故と車両損傷を防げます
最も大事なのは、「4WDだから必ず同じ搬送方法」ではなく、車両ごとの指定を確認したうえで、4輪を浮かせる方法を優先することです。メーカーの取扱説明書でも、4WD車は4輪を持ち上げて運搬する、または条件付きで4輪接地けん引を行うよう案内されており、駆動装置が故障している場合はトレーラーや積載車での搬送が求められます。
たとえば、エンジンがかからないSUVでも、タイヤが自由に回り、車両をウインチで引き上げられるなら積載車への搭載が有効です。一方で、事故で足回りが曲がっている、電動パーキングブレーキが解除できない、タイヤがロックしている場合は、ドーリーなどを併用して全輪を接地させない搬送方法を検討します。
4WD・AWD・レッカーで知っておくべき搬送方法とは?
4WD・AWD車を安全に運ぶための結論は、積載車に4輪すべてを載せることです。車両を荷台へ完全に搭載すれば、タイヤを路面で回転させずに搬送でき、不要な駆動系の回転を避けられます。
4WDとAWDは何が違い、なぜレッカー時に関係するのですか?
一言で言うと、4WDもAWDも前後の車輪へ駆動力を伝える仕組みであり、レッカー中に一部の車輪だけが回ると内部部品へ負荷がかかる場合があります。4WDはオフロード走行を意識した車種に多く、AWDは路面状況に応じて自動制御する乗用車・SUVに多い呼び方です。
ただし、名称だけで搬送可否は判断できません。センターデフ、電子制御カップリング、トランスファーなど、前後輪へ力を配分する構造は車種ごとに異なります。トランスファーとは、エンジンやモーターの力を前後の車軸へ振り分ける装置です。ここがレッカー中に想定外に回転すると、潤滑不足や内部の過熱につながる可能性があります。
たとえば、雪道に強いSUV、フルタイム4WDのミニバン、AWDセダンは、見た目には一般的な乗用車と変わりません。しかし、前輪だけを吊り上げて後輪を接地させた場合、後輪の回転がプロペラシャフトや差動装置へ伝わることがあります。駆動方式を申告せずに「普通のレッカーで」と依頼することは避けるべきです。
自分の車が4WD・AWDかどうか分からない場合は、車検証の「型式」や、車体後部のエンブレム、取扱説明書の仕様欄で確認できることがあります。グレード名に「4WD」「AWD」「E-Four」などの表記が含まれている車種もあるため、普段から自分の車の駆動方式を把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
積載車とレッカー車はどう使い分けるのですか?
結論として、積載車は車両全体を荷台に搭載する搬送車で、4WD・AWD車に適した基本的な選択肢です。一般に「レッカー」と呼ばれることが多いものの、現場では吊り上げけん引車、積載車、クレーン付き車両、ドーリー付き車両などを状況に応じて使い分けます。
積載車の利点は、4輪が路面に触れないことです。駆動系だけでなく、パンク、ホイール破損、ハンドルロック、ブレーキ固着がある場合にも対応しやすくなります。JAFも、けん引が難しい4WD車や大破した車両の移動に対応するロードサービス車両を運用しています。
一方、狭い住宅街、立体駐車場の出入口付近、交通量の多い幹線道路では、大型の積載車が直近まで入れないことがあります。その場合は、安全な位置まで短距離移動させてから積載する、前後いずれかにドーリーを装着するなど、現場条件に合わせた判断が必要です。
比較すると、短時間で車線を確保したい場所では吊り上げ作業が有効な場面もあります。しかし、4WD・AWD車では「早く動かすこと」より「駆動系を傷めずに動かすこと」を優先しなければなりません。
| 搬送方法 | 4WD・AWDへの適性 | 主な使用場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 積載車 | 高い | 故障・事故・長距離搬送 | 荷台へ載せるためのスペースが必要 |
| 2輪吊り上げレッカー | 車種確認が必須 | 緊急の短距離移動 | 残り2輪が接地するため駆動系に注意 |
| ドーリー併用 | 高い | 狭所・積載車が入りにくい現場 | 全輪を適切に浮かせる必要がある |
| 4輪接地けん引 | 原則として限定的 | メーカー指定の緊急時 | 速度・距離・シフト位置の制限を守る |
4輪接地でけん引できるケースはありますか?
4輪接地でけん引できる車種はありますが、取扱説明書に条件が示されている場合に限ると考えてください。シフトをNにする、速度を抑える、搬送距離を短くするなどの指定があり、条件を外すとトランスミッションなどを損傷するおそれがあります。
たとえば三菱自動車の取扱説明書では、4WD車は4輪を持ち上げて運搬することを案内し、やむを得ず4輪接地でけん引する場合には、速度30km/h以下・距離40km以内などの条件を示しています。また、長距離・高速走行はトランスミッションを破損するおそれがあるため、レッカー車またはトレーラーの利用を勧めています。
ただし、この数値を他メーカー・他車種へそのまま当てはめてはいけません。別のメーカーでは、4輪接地けん引を速度30km/h以下・距離30km以内とする例もあります。「同じ4WDだから同じ条件」と判断せず、年式、変速機、ハイブリッド機構、電動パーキングブレーキの有無まで確認することが必要です。
4WD・AWDのレッカー依頼で失敗しないためには?
4WD・AWDのレッカー依頼で失敗しないためには、依頼前に車両情報と現場情報を整理し、積載車優先で相談することです。初心者がまず押さえるべき点は、「動かせない理由」と「車輪の状態」を正確に伝えることです。
ロードサービスへ最初に伝えるべき情報は何ですか?
結論として、車名、年式、4WD・AWDの別、故障内容、停車位置、車輪の状態を伝えてください。情報がそろうほど、適切な車両・人員・工具を手配しやすくなります。
連絡時は、次の順序で確認するとスムーズです。
- 安全な場所へ避難し、ハザードランプや停止表示器材で後続車へ知らせます
- 車検証、車名、ナンバー、年式を確認します
- 4WD・AWDであること、グレード名、ハイブリッド・EVの別を伝えます
- エンジンまたはシステムが始動するかを確認します
- シフトをNにできるか、電動パーキングブレーキを解除できるかを確認します
- パンク、脱輪、事故、縁石接触、冠水など停止の原因を伝えます
- 前後左右のタイヤが回るか、破損・ロックがないかを確認します
- 現場の道路幅、地下駐車場、立体駐車場、坂道などの環境を伝えます
- 搬送先の修理工場、ディーラー、自宅などを決めます
- 任意保険のロードサービス、JAF会員特典、レッカー距離の条件を確認します
具体例として、「AWDのSUVで、左前輪が縁石にぶつかってパンクし、ハンドルが曲がっている」と伝われば、単なるスペアタイヤ交換ではなく、積載車での搬送を前提とした手配につながります。「エンジンがかからない」だけでは、バッテリー上がりか、燃料系統か、シフトロックかを現場で判断する必要があり、準備に差が出ます。
自分でロープけん引してはいけないのはどんなときですか?
結論として、4WD・AWD車のロープけん引は、取扱説明書で認められた緊急条件を満たせない限り、安易に行わないでください。ロープけん引は距離、速度、操舵、制動、周囲の交通を同時に管理する必要があり、車両損傷だけでなく追突・接触事故のリスクもあります。
特に避けるべき状況は、駆動系の異音がある場合、AT・CVTの異常が疑われる場合、ブレーキが効かない場合、電動パーキングブレーキが解除できない場合、ハンドルロックが解除できない場合です。冠水後や事故後も、見えない損傷や漏電の可能性があるため、自己判断でけん引せず専門業者へご相談ください。
また、けん引フックは「車を引き出すため」の用途として設計されている場合があり、長距離・高速の搬送を保証するものではありません。バンパー、サスペンションアーム、ホイール、ルーフレールなどにロープやワイヤーを掛けることは危険です。指定されたけん引フック以外を使うと、部品の破損や車両の逸走につながります。
事故・EV・ハイブリッド車では何に注意すべきですか?
最も大事なのは、事故車や電動車両では「Nに入るか」だけで搬送方法を決めないことです。4WD・AWDのEVやハイブリッド車は、モーター、回生ブレーキ、高電圧システム、電子制御式シフトなどを備えるため、車種固有の手順が必要です。
たとえば12Vバッテリーが上がり、電子シフトが操作できない場合、シフトをPからNへ移せず、4輪接地で動かせないことがあります。EVについても、メーカー指定を確認せず駆動輪を回すと、モーターや電力制御系に影響する可能性があります。電動車両のけん引では、駆動輪を持ち上げることが基本であり、やむを得ない場合にも取扱説明書の条件に従う必要があります。
事故でエアバッグが展開している、下回りから液体が漏れている、異臭・煙がある場合は、車内へ戻らず、周囲の人も近づかせず、消防・警察・ロードサービスへ連絡してください。搬送費用を抑えるために無理な方法を選ぶと、修理範囲の拡大や二次事故によって、結果的に負担が増えることがあります。
レッカーを待つ間はどう過ごせばよいですか?
結論として、待機中は車外の安全な場所へ移動し、到着したスタッフへ状況を正確に引き継げるよう準備しておくことが大切です。高速道路や交通量の多い道路では、車内に残ると追突事故に巻き込まれるおそれがあるため、ガードレールの外側など後続車から離れた場所で待ちましょう。
待機中に準備しておきたいのは、車検証、保険証券や会員証、スマートキー、取扱説明書です。取扱説明書には、けん引フックの取り付け位置、シフトロック解除の方法、電動パーキングブレーキの解除手順などが記載されていることが多く、作業員が搬送方法を判断する手がかりになります。車内に貴重品や搬送中に動きやすい荷物がある場合は、事前に取り出すか固定しておくと安心です。
また、夜間や悪天候の場合は、発炎筒や停止表示器材の設置位置に注意し、自分自身の安全を最優先にしてください。無理に車両を押して移動させたり、ジャッキアップしてタイヤの状態を確かめたりする行為は、けがや車両の落下につながるため控えましょう。
レッカー費用は何によって変わりますか?
レッカー費用は、搬送距離、作業時間帯、現場の状況、使用する車両や機材によって変わります。積載車での搬送に加えて、脱輪からの引き上げ、ウインチ作業、ドーリーの装着、狭所での作業などが必要になると、追加の作業料金が発生する場合があります。
任意保険や自動車メーカーのロードサービス、JAFなどを利用できる場合は、一定距離までのレッカーが無料になったり、作業料金の一部が補償されたりすることがあります。ただし、無料搬送距離を超えた分や、搬送先の条件によっては自己負担が生じることもあります。依頼前に契約内容を確認し、見積もりや追加料金の有無を確認しておくと、後からのトラブルを防げます。
4WD・AWD車の場合、「料金が安いから」という理由だけで2輪吊り上げを選ぶと、駆動系の修理費が搬送費用を大きく上回ることもあります。費用を比較するときは、搬送料金だけでなく、車両を傷めない方法かどうかも含めて判断することが大切です。
よくある質問
4WD車は前輪だけを持ち上げてレッカーできますか?
原則としておすすめできません。後輪が接地して回転すると駆動装置へ負担がかかるため、積載車または4輪を浮かせる方法を優先します。
AWD車なら必ず積載車が必要ですか?
積載車が最も安全な基本の選択肢です。ただし、最終判断は車種・故障内容・取扱説明書・現場条件によって変わります。
4WD車をNに入れれば普通にけん引できますか?
Nに入れても車種ごとの条件確認が必要です。速度、距離、電源位置などの指定を守らなければ駆動系を傷めるおそれがあります。
4輪接地でけん引する場合の速度は何km/hですか?
車種ごとに異なります。メーカー例では30km/h以下の指定がありますが、必ず対象車の取扱説明書を確認してください。
4WDのレッカーでドーリーとは何ですか?
ドーリーは、接地している車輪を載せて浮かせる補助台車です。積載車が使いにくい現場でも、4輪を路面から離すために用いられます。
パンクだけなら4WDでも自走できますか?
スペアタイヤのサイズや装着条件によります。4WD・AWDではタイヤ外径差が駆動系へ影響するため、応急用タイヤの使用条件を取扱説明書で確認してください。
電動パーキングブレーキが解除できない場合はどうなりますか?
無理に引きずらず、積載車やドーリーを使う方法を検討します。ブレーキがかかったままの移動は、タイヤや制動装置を損傷させるおそれがあります。
ハイブリッド4WDも同じ注意が必要ですか?
必要です。エンジン車と異なる電動駆動機構を持つため、より一層、車種別の搬送指示を優先してください。
雪道でスタックした4WDはロープで引き出せますか?
指定けん引フックを使い、短距離の救出に限るという判断が必要です。勢いをつけた引っ張りや、けん引方向がずれた作業は部品破損につながります。
保険のロードサービスで積載車を依頼できますか?
契約内容と現場条件によります。レッカー無料距離、搬送先、追加料金の有無を保険会社またはロードサービス窓口で確認してください。
まとめ
4WD・AWD車のレッカー搬送では、車種ごとの指定を守り、駆動方式に合う方法を選ぶことが車両を守る近道です。弊社では、東海エリアでのロードサービスにおいて、事故・故障・パンク・脱輪などの現場状況を確認し、安全を優先した搬送方法をご案内します。
- 4WD・AWD車は、4輪を荷台へ載せる積載車による搬送が基本です
- 2輪だけを持ち上げるレッカーは、駆動系に負担をかける可能性があります
- 4輪接地でのけん引は、取扱説明書に定められた車種別の条件がある場合に限ります
- 事故、タイヤロック、電動パーキングブレーキ不良、EV・ハイブリッド車は特に慎重な判断が必要です
- 依頼時には「4WD・AWD」「故障内容」「車輪の状態」「停車場所」を具体的に伝えてください
急な車両トラブルでは焦りが生まれますが、4WD・AWD車は「とにかく動かす」より「正しい方法で運ぶ」ことが重要です。安全確保を最優先に、無理な自力けん引は避け、ロードサービスへご相談ください。





